閑古鳥

オールドプログラマの日記。プログラミングとか病気(透析)の話とか。

C++ クックブック

いつの間にか発売していたようで、早速買ってきました。

C++クックブック

C++クックブック

いわゆる「レシピ」集。特定の言語で「○○をやりたいんだけどどうすれば?」という問いに対する答えが多く載っている本。例えば特定の文字列が整数に変換できるかどうか調べるにはどうすれば良いのか、といったよくありそうな問題に対する答えが載っています。

最初本を開いて感じたのは、若干余計な情報が多いかな、ということ。冒頭から100ページも割いてC++コンパイラ(gcc)とBoostライブラリのインストールについて書かれています。

こういった本を必要とする人は、既にC++の最低限の知識は持っているでしょうから、コンパイラなど当然手元にあると仮定してしまって問題ないと思うので、正直これは蛇足ではないかと思いました。BoostはまだしもHello Worldのコンパイル方法なんか、入門書に任せればいいだろうと。

そして、上述の通りこの本ではいくつかの問題の答えにBoostを使用しています。Boostは標準ライブラリではありませんから、この本の解をそのまま適用できない環境の人もいるのではないかと思います(仕事で使用できるライブラリが制限されているとか)。仕事中のお供として持つ場合は少し注意が必要かもしれません。

特にスレッドに関する部分は、C++では標準ではサポートされていないので仕方ないのかもしれませんが完全にBoostに依存しています。また、XML関連も同様サードパーティのライブラリ(XalanやXerces)を使用していますが、嫌らしい事に問題ごとに使用するライブラリが違っています。これを目当てに買うのはお勧めできないかも。

そんな感じで色々突っ込みどころはあるのですが、まあコンテナ(std::vectorなど)やアルゴリズムについて取り扱っている部分はサンプルコードもあるのでそれなりに役立つかもしれません。