閑古鳥

オールドプログラマの日記。プログラミングとか病気(透析)の話とか。

電王戦FINALはFINALでよかったと思う

電王戦ってもう将棋とは別の、ゲーム攻略動画だと思うんですよね。「将棋ソフトに勝ったら100万円」と同じ。

将棋ソフトはアマチュアより圧倒的に強くて、まず勝てない。だからハメ手でもなんでも見つけて勝つのも正しいとされて、実際攻略法が見つかれば盛り上がりもする(いい手を見つけてもそれですぐ勝てるわけではないほど差があるので、最後までスリリングでもある)。電王戦もそれと同じだと思うんですよね。事前貸出で弱点を見つけてそれで勝つ。そういう場になっている。

でもプロはまだ「ソフトより強い」「真剣勝負」をうたっているため、見る側もそれを期待するから本番が研究発表会になればしらけてしまう。プロ棋士側も真剣勝負では負けるわけにはいかないし、だからバグでもハメ手でも使わなければいけない。そのへんに見ている側との食い違いがあるんじゃないかと。第2回までは事前練習可でも力勝負を挑んだ対局もあり、それは盛り上がったけど、もうそれは将棋連盟としてもできないし、やらないとなったらこれ以上続けてもつまらなくなる一方でしょう。

プロももう普通にやっても勝てないと認めて「アマ対ソフト」みたいなイベントと同じようなスタンスで挑めば、まだ盛り上がることもあるんじゃないかと思うけど、それを望む層もそんなにいない気もする。「こんなハメ手を見つけるとはさすがプロですな~」みたいな楽しみ方もあるかもしれないけど(笑)

なんだかんだ言いながらもずっと見ているけど、対局の度に誰かが傷ついてるような、幸せになる人が少ないイベントになっちゃったのかなーという印象です。