閑古鳥

オールドプログラマの日記。プログラミングとか病気(透析)の話とか。

人工透析の診療点数について(ただのメモ)

厚生労働省は8日、腎臓病の患者に対する人工透析について、患者数や医療機器の数などが一定数を超えた場合には、2018年度に診療報酬を引き下げる方針を固めた。一部の医療機関が過剰な治療で利益を上げているとみられることから、適正化を図る狙い。同日の中央社会保険医療協議会厚労相の諮問機関)に提案し、了承された。

https://this.kiji.is/311795760252552289

「過剰な治療」ってなんだろう。どうも患者数あるいはコンソール*1の数が多いと点数を減らすみたいな話も見えたけど、よくわからない。

大元は10/26の第14回経済財政諮問会議であった提言らしいけど、ここでは

透析医療の実態に応じて診療報酬の適正化を図るとともに、保険者等による糖尿病患者の重症化予防を促進

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/1026/shiryo_03-1.pdf

としか書いてなくて具体的なことがわからない。透析で荒稼ぎをしているクリニックが実在するのか、どの程度あるのか。まだ透析導入するまででもない保存期の患者を透析導入させるみたいな話は見るけど都市伝説じゃないの?

短時間透析の点数を減らすという話もあって、「透析の実態に応じて」がこれに当たるならそれは良いと思う。

政府は来年度の診療報酬改定で、腎臓病患者への人工透析治療の報酬を一部引き下げる方針を固めた。年1兆5千億円を超す透析にかかる医療費を抑える狙いだ。患者を多く受け入れるために透析時間を短くしているような医療機関などを引き下げ対象とする方向で検討している。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S13259200.html?rm=150

厚労省のサイトを見てみた。

個別事項の1に透析についてのまとめと、最後に提言(案)がある。資料内にごくごく自然にいらすとやさんのイラストが混ざっていてすごい。それはともかく、提言の内容は以下のようなもの。

○ 腹膜透析や腎移植は、血液透析に比べ、患者のQOLが高いことから、透析医療に係る診療報酬において、腹膜透析や腎移植の推進に資する取組みや実績等を評価してはどうか。
○ 合併症等のある患者への加算(障害者等加算)について、治療の質を確保する観点から、評価を充実してはどうか。
○ 長時間の血液透析について、短時間に比べて、合併症のある患者等にとって、より質の高い治療となることから、6時間以上の長時間血液透析を評価してはどうか。
○ 地域包括ケア病棟入院料等においては腹膜灌流は包括範囲に含まれているが、人工腎臓と腹膜灌流で取扱いが異なっていることから、腹膜灌流の普及の観点から、地域包括ケア病棟入院料等の包括範囲を見直してはどうか。
○ 透析液水質確保加算について、大部分の血液透析実施施設が加算を算定できている状況を踏まえ、適正化してはどうか。
血液透析に係る診療報酬について、施設の規模や血液透析実施患者数によって効率性が異なっていることから、効率性を踏まえた評価となるよう適正化してはどうか。
○ 慢性維持透析濾過(複雑なもの)について、現行、実施時間によらず一律の評価となっていることから、時間により区分を分けた評価に適正化してはどうか。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000187304.pdf

最初の記事で挙げられていたのは、血液透析に係る診療報酬について、施設の規模や血液透析実施患者数によって効率性が異なっていることから、効率性を踏まえた評価となるよう適正化してはどうか。の部分だろうか? 資料の中でも、施設によって1台のコンソールで透析している患者の数にばらつきがあると触れられている。患者数が多いのが「過剰な診断」になるのかわからないので、関係無いかもしれないけれど。結局よくわからなかった。

それより点数を透析時間によって区分を分けたらとか、6時間以上の長時間透析を評価してはどうかという話の方が(患者には)重要に見える。現在は4時間未満/4-5時間/5時間以上の3パターンしかなく、大抵の施設は4時間でやっているけど、6時間以上の透析も評価されるようになれば長時間透析が増えるかもしれない。オーバーナイトは夜勤が発生してしまうのでそうホイホイできないとは思うけど。

*1:人工腎臓/血液透析で使う機器